死んだ亀

デッドタートル

キューバ:元巨人オビスポ

マシンガンのようにキューバの衝撃をぶつけられ続け疲弊した我々は、 一旦宿に戻って眠りについた。 キューバの夜を全力で楽しむためだ。 目が覚めた時はすでに日が暮れていた。 スラムも暗いと幻想的な景色に変わるものだと思いながら、 ごみのにおいに鼻を…

キューバ:食事をしない国

おなかがすいてきた。時間は13時だ。 ご飯を追い求め街を歩く。どこにもお食事処がない。キューバの人はお酒を飲むばかりでほとんど食事をしないらしい。街にはバーとカフェしかない。 餓死の恐怖を感じながら路地の一角に小さなお店を見つけた。 恐る恐る突…

キューバ:これこそがSNS

キューバでは民泊文化が根強いらしい。ホテルは国営で値段の割にサービスもよくなく数も少ない。そこでキューバ国民は小銭稼ぎもかねて家を観光客に貸し出すのだそうだ。社会主義とは不思議だが、いまさら民泊がはやっている日本を考えると資本主義も不思議…

キューバ:キューバとはどこにあるのか。

キューバに来た。到着した。いわゆる「キューバなう」である。 自分がキューバにいるという現実が信じられない、理解できない。 おそらくあれはキューバではなかったのかもしれない。 だって前情報ではキューバでは入国審査に1時間、荷物受け取りに1時間、両…

キューバ:なぜキューバに行くのだろうか。

トロントのホテルで暖かい夜をすごした我々は、翌朝、晴れ渡る青空をキューバ行きの飛行機で切り裂いていった。 キューバへ向かう飛行機では、となりのカナダ人観光客の貧乏ゆすりがずっと気になったが、彼もキューバが楽しみで仕方ないのだろう、とそう思う…

キューバ:googleにできる旅はしない

我々は羽田空港の吉野家で最後の日本食を満喫した。なぜだろう、キューバ旅行で死を覚悟していたので、むしろ最期の日本食として吉野家を食していた。「人生最期に食べるなら~?」という陳腐な質問は、いつも私を苦しめるのだが、結局のところ、最期の食事…

キューバ:なぜ旅行は準備が楽しいのだろうか。

2017年後半、当方の中には空前絶後のキューバブームが巻き起こっていた。 本、雑誌、SNS等ありとあらゆる媒体がキューバ旅行をけしかけてきた。アメリカと国交を回復してしまった今、「キューバ」を満喫できるのは今しかないと囁いてくる。今を逃すともう二…

八丈島:居酒屋で寝る女たち

そして再び肝試しタイムである。 宿でもらった周辺地図に載っていた「くじらや」を目指す。 ネットやドライブマップでは情報をあまりゲットできず、それが逆に興味をそそられる店だったので、向かってみることに。 古民家居酒屋とのことだが、古民家なるもの…

八丈島:島の夜ほど怖いものはなし

この夜は宿の近くで、歩ける範囲で飲み歩こうとしていた。 最初に向かったのは居酒屋「大吉丸」。宿から店まではものの5分ほどだ。 しかし住宅街でもあるからか殆ど街灯がなく、えも言われぬ夜の怖さを感じる。 怖さは増す一方で、いつまで経っても目的地に…

八丈島:おばあちゃん達の湯

次に向かったのは「ふれあいの湯」だ。着いた頃にはもう暗かった。 入ると、パリピ気味な若者たちであふれている。 色黒ギャルズだ。ダイバーたちだろうか?八丈島にはダイビング目的で来る人も多いようだ。 みはらしの湯よりも、古くて趣のあるこの温泉は、…

八丈島:火星からの夕日

一人旅女のインスタグラムを探しつつ、次の目的地へ。 夕刻になり、天気も大分よくなってきた。 これは夕日が見れるかもしれないと、夕日スポットの南原千畳敷へ向かう。 「火星」はいつも突然私達の前に現れる。 佐渡島でも、海沿いに広がる火星に辿り着い…

八丈島:一人旅女

植物園を後にして、宿に一旦荷物を置きに行く。 宿は直前に取ったので、二日目はゲストハウスに泊まる。 ゲストハウス特有の共通スペースや、そこに長く滞在している旅人の生活感は大変苦手だ。 学生時代はゲストハウスに滞在したり、民宿等で旅人コミュニテ…

八丈島:キョンを駆除しないで

依然悪天候の中、血迷った私達は次に植物園へと向かう。 植物には全く興味がないが、デカ公園好きなのでなんとなく向かってみる。 もしくはたまに少しだけ生まれる「旅行っぽいことしなきゃ感」に襲われたからだろうか。 道中立ち寄った「八丈ストア」にて、…

八丈島:あそこ寿司

気を取り直して昼食は「あそこ寿司」へ向かう。 「八丈島 寿司」でググると一番上に出てくる、食べログ3.51の店だ。 グーグル先生と食べログ先生を信じきっているミーハーな私達ホイホイのお店である。 こんなアレレ?な名前でも、ここまで直球だと嫌味が無…

八丈島:牛を悲しませないで

そうは言っても「もうすぐ今日がおわる♪」わけにはいかないので、気を取り直して今日という日を楽しむことにした私達。 旅の醍醐味は「悔い」である。これが私達の旅における共通認識だ。 悔いがあることで、また来たいと思える。一回の旅で満足してしまえば…

八丈島:運動会行きたい症候群

思いがけずほっこりアクティビティに触れた私達、八丈島には毎年運動会シーズンにくることを誓い、ホテルへ向かう。 一日目の宿はリードパークリゾート八丈島。 作りは古めだが広くてきれいなホテル。よくある田舎のリゾートホテルという感じだ。 夜ご飯まで…

八丈島:運動会

顎関節症の痛みはいよいよピークに達したらしい。さすがに心配になってきた。 例のボタニカルランチをし始めるも、全く食欲の湧かない相方。 しかも飯がマズイ。こりゃヒドイ。ほぼ全品うんこの味がした。 メインの雑炊も、うんこ粥。頑張って食べる相方を見…

八丈島:ふろ通い初老ジジイ

到着できてしまったので、旅を再開するしかなかった。 とりあえずレンタカー屋に連絡し迎えに来てもらう。 旅先のレンタカー屋にありがちなボロいマイクロバスがすぐにやってきた。 空港のすぐ隣あるそのレンタカー屋は、仮設住宅のような佇まいで不安になる…

八丈島:顎関節症患者とともに

なぜ八丈島に行こうと思ったのか、理由は覚えていないが気がつけば決まっていたような気がする。 正直、島と言えば南の島でしょ、沖縄でしょというくらい視野の狭かった私に、日本海の島・佐渡はいい意味でショックであった。 昔から気に入ったらそればばか…

東京:3月14日

時系列がぐちゃぐちゃであるにも程があるが、今日は3月14日なのでブログ投稿せざるを得ない。昨日は熱を出していて大分体調よくなったものの、会社をほぼズル休みしている。理由は2つあるが、1つはあまりにもいい天気すぎるからだ。4月になればどうせ…

佐渡島:ノスタルジック野球部スメル

予報通り風が段々強くなってきたので、予約していたジェットフォイルちゃんをキャンセルし、一本前の大型カーフェリーに乗ることにした。 誰もが同じことを考えていたのだろう、ものすごい人だ。こんなに多くの人がこの島にいたとは考えられない。皆マラソン…

佐渡島:柿の焼酎はいらん

恐怖と共に迎えた佐渡島2日目の朝。9月も半ば、朝は気持ちのいい天気だったが実は台風が近づいていた。雨予報も晴れにしてしまう晴れ人間だが、流石に台風様は避けられまい。帰りのフェリーの便を少し早める設定で、まんきんの2日目を過ごす為に宿を後にする…

佐渡島:狂いマラソンとインド人大家族

北部へと進むうち、最初は気にしていなかったものが気になり始めた。 どうやらマラソンが開催されている。 年齢層は高めだった。年長者のレクリエーションだろうか?中にはセーラームーンのコスプレをしながら走るジジイがいたりして、穏やかに狂っていた。…

佐渡島:まんきん少年

アジトランス状態の私達は寿司屋を後にし、 頑張れば一日で島一周できるとのことで、頑張ってみることにした。 島のてっぺん(北部)まで行き、宿がある宿根木(南部)を目指すというルート。 私たちはBOOK OFFで集めたアツいミュージックを聴きながら何もな…

佐渡島:100円のアジ

初回の投稿は泥酔の宵に書いたもので、ネタバレをするとブログ開設の発端はキューバ旅行記を書くつもりだった。まずはまだかろうじて記憶があるうちに、国内旅行から始めよう。 出会って一か月半程経った頃、佐渡島へ旅行した。夏やし島に行きたいという思い…

死んだ亀

死んだ亀が道に落ちていた。 でも死体として生きていた。 あたかも何千年もそこにいるかのようだった。 人々に愛される銅像のように。 何気ない、ただ刺激的な日々。