八丈島:一人旅女
植物園を後にして、宿に一旦荷物を置きに行く。
宿は直前に取ったので、二日目はゲストハウスに泊まる。
ゲストハウス特有の共通スペースや、そこに長く滞在している旅人の生活感は大変苦手だ。
学生時代はゲストハウスに滞在したり、民宿等で旅人コミュニティを嗜んだりもした。
それでもやはり「旅大好き♪」カルチャーは少し苦手だ。
まだまだ八丈島には沢山温泉があるようなので、「みはらしの湯」へ向かうことに。
海沿いにある温泉で、その名の通り景観GOODの露天風呂だ。(内風呂もあり)
湯の温度がちょうどいい。ずっと入っていられるやつだ。
露天風呂は混雑していた。そういえば八丈島は女子旅が多い。
そんな中、一際目立っていたのは「風呂上りなのに全力でケバい一人旅女」だ。
赤い紅まで引いていた。
風呂に入るのに化粧を落とさなかったのか、入浴後に全力の化粧をしたのか。
流石東京都の島だなぁと思ったが、いやいや八丈島のオーガニズムに反しているのではないか?
風呂の後はコーヒーでもしばこうということで、初日に見つけた「古民家カフェ」に行くことにした。
古民家を全面に押し出しているところが気に食わないが、カランとした落ち着く古民家だ。
食器等もアンティークっぽくてすてきだし、コーヒーも美味しかった。
ふと気づく。逆サイドの席に先ほどの一人旅女がいることに。
彼女は微笑みながら、ノートに何か書きなぐっていた。
ケーキが届き、宮崎あおいリスペクト女名物、ミラーレス一眼レフカメラで撮影。
恐らくすぐにスマホに写真が送信されるようになっていて、恐らくインスタグラムに投稿していることだろう。
ノートには何を書いているのだろうか。ポエムとも日記ともいえないようなものだろうか。
何が悲しくて、何が楽しくて、まんきんのお洒落でカメラ片手に一人で八丈島に来るというのだ。
女性の闇というのは昔から深い深い井戸の底のような存在だが、
SNSの発達、現代のフェミニスト化、現代社会が女性の闇を屈折させてしまっている。
彼女の未来が明るいことを祈りながら、コーヒーを啜る。