死んだ亀

デッドタートル

八丈島:顎関節症患者とともに

なぜ八丈島に行こうと思ったのか、理由は覚えていないが気がつけば決まっていたような気がする。

正直、島と言えば南の島でしょ、沖縄でしょというくらい視野の狭かった私に、日本海の島・佐渡はいい意味でショックであった。

昔から気に入ったらそればばかり愛でてしまうメンヘラ気質の私は、大学一年で沖縄に魅了されて以来、毎年行くほどに沖縄好きだ。

他の場所に行きたいと感じたことはあまりなかった。適度に国内旅行はするが、沖縄第一優先。新しい景色を探すより、心にある情景をいつまでも追い求めてしまう女々しい性格なのだ。

昔よく聞いていた曲を聴きながらいつまでも酒を飲める質である。

新しい場所は怖い。そんな私が佐渡島八丈島、などと得体の知れない島に連続していくなんておかしな話なはずだった。

でっかい漬け物石のような安定感を持つ相方のおかげなのか、私自身が大人になったいうことなのか。

 

八丈島へ行くにはフェリーか飛行機がある。フェリーは夜行便でつらいので、飛行機を選択。羽田空港より約50分ほどで着くらしい。

私達の旅は飛行機を取った段階で一旦テンションが落ち着く。佐渡フィーバーのまま勢いで八丈行きのフライトを予約後、すぐ忘れる。

途中で急に思い出したように破格のレンタカーを予約。(一日3000円)

八丈島はどうせ何もないので旅の行程を練る必要もない。

 

11月の三連休初日、出発の朝は早かった。前日に詰め込んだ最低限の荷物を持ち、羽田へ向かう。

浜松町までのタクシーの中、「八丈行き、条件付きのフライトとかゆうとる」と相方。

どうやら八丈は天気が荒れやすく、着陸できない場合はそのまま羽田へリターンするという条件付きのフライトがあるらしい。

正直、そんなこと言われてもなんだかんだ行ける気がしていたし、最悪行けなくてもやむなしだなぁくらいの執着心のなさだった。

相方は、どうせあっち行っても天気悪いなら、東京は天気がいいらしいのでリターンする気満々だった。帰って大井競馬場行こう等と言う。

実は2日前くらいからあごが痛いとほざいていた。

父親はなんでも大袈裟に表現する性質の人だったので、(実際の痛みの100倍くらいの表現をしたりする)世の中の男の人はみんな大袈裟なんだと思い込んでいた私は、「へえ」と無視し続けていた。

飛行機ではずっと寝ていたので着陸のタイミングで起きたのだが、実は3、4回着陸チャレンジした結果だったらしい。

なんとか八丈島についた。

だが相方は気圧のせいか顎の痛みが強まっているようだった。

流石に少し心配になってきた。

八丈は依然悪天候

この旅、不安だ。